セーケのほぼ毎日コラム

整備情報。

 フェイスブック・グループに○○整備情報というものがある。オーナー自ら愛車を整備するための情報交換サイトだ。中にはアライメントを調整したりエンジンを降ろすなどの重整備を行っている人もいる。我が身を振り返ると、ローバーミニやMGミジェットで多少の手を下したことはあるが、エンジンを降ろして組み直すなどは怖くてできなかった。やはり、そこはプロの領域だと思ったからだ。

 あるとき、エンジンを降ろした人がバルタイの質問をしていた。小職は、このサイトへの書き込みを会社から禁止されているのだが、つい、それはプロに任せた方がいいのではないかと書いてしまった。すると、驚くほど多くのオーナーたちが「自分でやって何が悪い」「この書き込んだ人はいつも自分で作業をしていて、時には格安で仲間たちの面倒をみてくれる」というような反論が起きてしまった。

 ということなら、Do It Myselfな人の特集でもやろうと考え、サイト内の伝手を辿って重整備をしている人を中心に連絡先を聞き出し、彼らにコンタクトをした。

 その結果は極めて残念なことになってしまった。彼らの殆どが整備工場を営んでいたのだ。で、バルタイなどの数値が分からなくなるとDo It Myselfな人を装いサイトで質問をするわけだ。

 狭いようで日本は広く、近所にそのモデルに特化したメカニックがいない場合が多い。また、車種によってはまったく仕事にならない場合もある。そこで、慣れない車輌でも基本は同じだと手を下すのだが、もちろんマニュアルもなく困ってしまったわけだ。

 サイトの中で「スタッドボルトの締め方についてもマニュアル通りではないし、専門のプロが培ったものがある」と小職が書くと「そんなことは知っている」との反論。ところが、コンタクトをしてメッセンジャーでのやり取りでは「締めトルクの考え方と方法は勉強になりました」と書いてくるのには笑った。

 また、「どんな内容の本なのか見せて欲しい。自分のこだわりに合っていないなら取材を受けない」という方もいた。そこで、特にメカニカルについて詳しく書いた号を送ったのだが、コンタクトのラインが閉じられてしまった。よほど内容がお気に召さなかったのだろう。まさか、内容を見てマズイと思ったわけではないと思いたい。

 近くに専門のメカニックがいない状態は今後加速されることだろう。そのノウハウを次世代につないでいくのは、オーナーたちがメカニックを食べさせることが前提だ。そうした中で、さらなるノウハウの蓄積があり、それはオーナー自身へと返ってくる。

 整備情報の共有は大切だが、その根本が工場の見積書を公開して論じることやノウハウを無料で手にしようというものであってはならない。その考え方もまた、マイナスとなって自らに返ってくるのだと思う。