セーケのほぼ毎日コラム

ホイールナットの座面。

 12時間耐久にあたり、あるメカニックがホイールナットについてテーパーナットがいいと言い続けていた。ホイールナットには通常のナット型やボルト型があるが、ここでは座面、つまり、ホイールとの接続面について思うことを書いてみたい。

 座面の種類は概ね3種類。すり鉢状に先端が直線的に細くなっているテーパー型。球面になっている文字通り球面座型。接地面が平面の平面座型だ。

 強度を考えると、先が細くなっているテーパー型が接地面も多く、なんとなく良いような気がしてくる。先述のメカもそのイメージから力説したのだろう。

 しかし、あの合理主義の塊であるポルシェはセンターロック以外すべてが球面。この理由は極めて簡単なことだ。テーパー型は締めれば締めるほど入り込んでしまい、熱が加わると取れなくなってしまう。

 これに対し球面は接地面も広くとることができるし、球体全体が均一な張力を確保すると同時に球面がストッパーとなり入り込んで行かないからだ。世のレーシングカーが球面を採用する理由がこれだ。

 ちなみに、そのポルシェの場合、一般的な車両で使用されているのはアルミ合金。これによってアルミホイールに負けない強度と軽さを確保している。また、俗にカップナットと呼ばれるセンターロック以外のレーシングカーに使用されている素材はスチールだ。これは一般車に比べてホイール脱着が多くなることを考慮して強さを持たせるためだ。

 また、チタン素材のものをありがたがる風潮もあるが本職は懐疑的だ。なぜなら熱膨張をしない、または、膨張率が極めて小さいから。これでボルトの張力を活かせるのか心配になってしまう。