セーケのほぼ毎日コラム

ヒストリックカー。

 ヒストリックカーがオジさんたちに人気だ。まだ幼少や若かりし頃、胸を躍らせた車種を手に入れて、かつてのワクワクを自分自身でなぞろうというのだろう。それは単なる懐古趣味ではなく、ワクワクの原点を大事に持ち続けてきたということだ。

 で、今回は、ヒストリックカーとは何かを考えてみた。ヒストリックカーというとどこかハイブローな感じもする。旧車というのが正しいのだが、なんだかボロボロになった国産車のイメージが見え隠れしてしまう。ここは、やっぱりヒストリックカーと言いたいし呼ばれたい。

 そのヒストリックカーはFIAが明確に規定していて、長いこと1969年以前の車両だった。時が経ち、ネオヒストリックなどが生まれ、ほぼ毎年規定が変わっている。

 ル・マンクラシックを例にとると、年代ごとにクラス分けがなされるのだが、ル・マン24時間レースの前身である「ス24時間耐久グランプリークーペ・ラッジウィットワースーが始まった1923年~1979年までの年式で、ル・マンに出場した車両、または、同型車とされている。

 じつはこの規定が意味するところがとても重要なのだ。つまり、ル・マン出場という、文字通りヒストリー=歴史を持った車両と規定されているのだ。

 ヒストリックカーというと趣味性を強く感じることができる旧車の英語表記のようにも思われがちなのだが、そこには、レースリザルトを持った個体そのものであることとなるわけだ。同型車は時代の経過とともに門戸を拡大するための処置であり、レプリカを認めるということだ。しかし、基本的な条件はリザルトがあることであり、ただ古いだけのクルマではヒストリックカーを名乗ることはできないということだ。

 ちなみに、第一次大戦以前の車両をベテランまたはヴィンテージ、1950年代以前をクラシック、 1980年以前をネオクラシックと呼ぶようだ。ネオクラシックという表記は苦心したんだろうなあと思われる。

 アイドラーズの旧車クラスがヒストリックカーと称さずにトラッドメイクスとしているのはヒストリックカーを厳密に捉たからであり、「トラディショナル=伝統的」という概念を用いることで、その規定に抵触しないモデルも含めるために設定したのだった。

 旧車と同様にヒストリックカーも多くの場合に古いクルマを指しているようだ。が、それならオールドカーと表現すべきではないだろうか。